痛風

痛風ってどんな病気ですか

痛風は突然、足の親指のつけ根に激しい痛みを覚えます。
そして、この痛みの発作が起こるとたちまちその部分が赤く腫れてしまい、ほんの少し動いたり、近くの音さえも足に響くと、また新たな激痛を覚えてしまいます。
この病気の「痛風」の字のとおり、「風が当たっただけでも痛い」病気が痛風です。
この痛風は、これほど痛いのですが、その激しい痛みは一時的なもので、しばらくすると本当に何事もなかったかのように痛みが治まってしまいます。
痛みの期間は長くても1から2週間しか続きません。
このように痛みが治まってしまうので、治ったと勘違いしてしまうことも多いのですが、残念ながらこの激痛がいったん治まったからと言って、この病気自体が良くなったわけではありません。
痛みのない間も症状が進行しているということがあるので、注意が必要です。
痛みが治まってから半年から1年たつとまた同じような発作が起こります。
そしてその発作を繰り返しているうちに、最初は足の親指の付け根だけだったものが足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔が次第に短くなってくるのです。
このころになると、関節の症状だけでなく、腎臓などの内臓が侵されるようになってきます。
痛みの症状にばかり気をとられがちですが、知らない間に内臓の症状も悪化している怖い病気です。

痛風の歴史

痛風は、実は西洋では実に古い病気だということが分かっています。
古くは、エジプトから発掘されたミイラの関節の中に尿酸塩を見つけたという報告があるほどです。
西洋史上の著名な人物の中にも痛風に苦しめられてきた人は多いと言われています。
列挙すると、マケドニアのアレクサンダ−大王、神聖ロ−マ帝国皇帝のカルロス五世、プロシア国王フリ−ドリヒ大王、フランスのルイ十四世、宗教改革で有名となったルター、清教徒革命のクロムウェル、芸術家ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチ、詩人ダンテ、ミルトン、文豪ゲ−テ、スタンダ−ルやモ−パッサン、引力を発見したニュ−トン、生物学者ダ−ウィンと、少なくとも歴史の授業で一度は目にした人物の名が次々と上げられます。
西洋の食生活は動物性たんぱく質を多く含む食品がたくさん並び、高カロリーの食事でアルコールも多く摂取していたことが伺われます。
それに対して、日本では明治時代まで痛風は存在しませんでしたが、現在は食生活も欧米化してしまったために、日本でも痛風に悩む人が多くなり、今では数十万人の患者が日本全国にいると言われています。

痛風は男性に多い病気

痛風は圧倒的に男性に多い病気です。
ある調査では、痛風の患者のうち男性が9割以上で、女性は1割にも達していませんでした。
これほど男女差のはっきりした病気は少ないです。
このように男女差が出てしまう理由はきちんと説明できます。
それは、痛風の原因である尿酸の血液中の濃度が男性より女性の方が低いからです。
なぜなら、女性ホルモンには腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるためなのです。
そのため、女性でも閉経後には女性ホルモンの分泌が減るので、尿酸値は少し上昇します。
男性も女性も50代からはその尿酸値の差が縮まってきます。
痛風の発作は血液中の尿酸の濃度が7mg/dlを越える状態が数年間以上は続かないと起こりません。
男性は尿酸値が平均して1.5mg/dl上昇すればこの数値に達しますが、女性ではその2倍上昇しないとこの数値に達しませんので、そういった点で女性はなかなか高尿酸血症にならず痛風にもなりにくいのです。
痛風は「贅沢病」だと言われていましたが、現代生活では食生活が一般的に欧米化したために、戦後、1960年代以降、一般的な食生活をしていても痛風になる人が多くなっています。

痛風になるのはどうして

痛風は血中の尿酸値が一定数値以上になるために起こる発作です。
尿酸とは体内で「プリン体」と呼ばれる物質が分解されてできるものです。
このプリン体とは、動植物の細胞の核や染色体の中にある、核酸という物質の成分です。
そのため、プリン体は食事から摂りこまれるだけではなく、新陳代謝によっても生み出されています。
そして、プリン体が肝臓で代謝されると尿酸となります。
この尿酸は腎臓で老廃物となり、最後には排泄されてしまいます。
尿酸が増えてしまう理由は2つです。
まずは体内で尿酸がつくられ過ぎる場合です。
これは、体内での尿酸合成が多すぎたり、プリン体を含む食べ物を多く摂り過ぎてしまうことが原因です。
そして、もうひとつは尿酸の排泄がうまくいかないために、体内に過剰にたまってしまう場合です。
日本人はこの後者の理由で痛風になる人がが多いと言われています。
健康な人でも尿酸が一定値蓄積されていますが、そのうちの半分以上の尿酸が毎日入れ替わっています。
体外に排泄される尿酸のうち、4分の3は尿として、残りは汗や便として排泄されます。
しかし、この排泄がうまくいかないと、体内に尿酸がたまってしまいます。